●講義での解説
私は北海道大学の全学教育科目「大学博物館講座-北大自然史研究の系譜」という講義を受講しています。これは北大でこれまで行われてきた自然史研究の歴史や研究者について学ぶことで、自身の進路決定に役立てたり、北大で受け継がれてきた精神について考えるという講義で、様々な分野の講師の方々が自身の専門分野について講義をするというオムニバス形式で行われています。
その中で総合博物館資料部研究員・理学部名誉教授の加藤誠さんから古生物学・鉱物学の歴史についてお話していただく回が3回ほどありました。私もMouseionで総合博物館の古生物について展示解説させていただいていて、加藤さんの講義の内容がとても興味深く、また楽しみでした。初回の講義が終わった後、加藤さんにご挨拶してそういった旨をお伝えしたところ、「展示解説をしているんだったら、もしよかったら講義でも解説してみませんか?」と声をかけていただきました。そういった経緯で、加藤さんが担当された3回の講義の最終回で、デスモスチルスについての解説をさせていただきました。
普段の展示解説では私よりも年上・年下の方に解説することがわりと多く、今回のように大勢の同年代の方に向けて解説するという経験があまりなかったので、とても新鮮に感じました。また、これも展示解説と同じですが、どのように説明すれば興味をもってもらえるのか、理解してもらえるのかということについて、改めて考えるきっかけになりました。5分ほどの短い解説でしたが、とても良い経験ができたと思います。
●平成遠友夜学校での講義
北大の北18条門の近く、モデルバーンの隣にある遠友学舎という建物で、毎週火曜日の18:30から「平成遠友夜学校」が開講されていることをご存じでしょうか?かつて札幌農学校(今の北大の前身となった学校です)の教授だった新渡戸稲造は、貧しさや日中の労働など様々な理由で学校に通えない若者たちのために男女共学・無料の夜学校「遠友夜学校」を開設しました。この遠友夜学校の精神を受け継いだ平成遠友夜学校は、北大の学生・教員が「講師」として市民の方々に自身の研究分野や興味のあることなどについて発表・紹介する学びの場・交流の場なのです。
私も11月13日に講師として参加し、「博物館訪問記~恐竜展に行ってきました~」というタイトルの講演をさせていただきました。講義の内容は、以前このブログに投稿した「恐竜展に行ってきました。」(2012年9月22日)という記事の内容を更にボリュームアップしたものになります。
先ほど紹介した解説とはまた違い、1時間程の講義の内容を全て自分で考え、準備するというのはかなり大変でしたが、生徒のみなさんが真剣に、また楽しそうに講義を聴いてくださっている様子が伝わってきたので、とても嬉しかったです!講義後にお茶を飲みながら生徒のみなさんといろいろなお話ができたのも新鮮でした。もし平成遠友夜学校に興味をもっていただけたなら、ぜひ一度生徒として、あるいは講師として参加してみてください!
私自身、Mouseionでの活動がもとになってこのような様々な体験ができるなんて想像もしていませんでしたが、それだけにとても嬉しく思います。これもひとえに、こういったきっかけを与えていただいた加藤さんや遠友夜学校の運営スタッフのみなさん、そしてMouseionのメンバーやその活動を支えてくれるみなさんのおかげだとヒシヒシと感じます。これからもがんばって活動していきますので、よろしくお願いします!
(担当:太田)
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